ご挨拶
名古屋大学脳神経外科は、名古屋市内および東海地区の連携・関連病院と共同して脳神経外科全分野において、最先端の医療提供体制を整えています。
脳卒中などの脳血管性障害、あらゆる脳腫瘍、小児の脳神経疾患、頭部・脊髄外傷、脊椎脊髄疾患、てんかんやパーキンソン病などの機能的疾患など、すべての医療ニーズに適切な治療を提供致します。
脳神経外科疾患は多岐に渡ります。
また、それぞれの疾患分野において日進月歩の治療開発が進められています。
大学病院および連携・関連施設では、日本脳神経外科学会専門医資格に加え、更にそれぞれの専門医資格を有したスペシャリストが診断治療にあたります。
遠慮なく、ご相談ください。
【当科の歴史】
当教室の歴史は古く、当時のヨーロッパの先進的な脳神経外科手術手技を本邦に導入し、日本脳神経外科学会の第1回(1948年)〜第3回の会長を務めた齋藤眞教授より始まります。
その後、戸田博教授及び橋本義雄教授は地域医療貢献に尽力致しました。
景山直樹教授は脳腫瘍病理学・小児脳腫瘍学・神経内分泌学を確立するとともに、日本脳腫瘍病理学会、日本脳血管内治療学会などを創設し、本邦の学問的基盤を築き上げました。
特に、低侵襲手術法の先駆的手法である、下垂体腫瘍に対する経蝶形骨洞手術(Hardy approach)の本邦への導入をいち早く確立致しました。
杉田虔一郎教授は脳神経外科の顕微鏡手術(Microsurgery)の確立に中心的役割を果たすとともに、脳動脈瘤に対するSugita clipの開発、Sugita frame、Sugita chair等、脳神経外科手術機器の開発に尽力しました。
自らの顕微鏡下手術のスケッチをふんだんに挿入した成書“Microneurosurgical atras”は脳神経外科医のバイブルとまで言われ、世界中で愛読されました。
吉田純教授は生命科学・医用工学の進歩を脳神経外科学に取り入れ、画像誘導手術法の確立、細胞免疫療法の導入の後に、本邦初の脳腫瘍に対する遺伝子治療の臨床応用を実施しました。
若林俊彦教授は、脳神経外科ロボティクス開発、脳腫瘍のゲノム・エピゲノム・プロテオーム解析に基づく個別化・層別化医療の推進、分子標的イメージングPETプローベや標的核酸医療の新規開発、8K高精度画像技術のICT導入による内視鏡手術臨床応用、「脳とこころの研究センター」設立に伴う脳科学のアジアの拠点形成に尽力致しました。
2020年12月より現体制となっています。